20230919

 

夫を送り出したあと、義母と朝食を採り、洗濯物を干し、義父と家を出た。

女は姓が変わるとやることだらけだ。

役場へ、銀行へ、今日は警察へ。

私はペーパードライバーということでもないが、少し遠くや交通量の多い場所へ出かけるときは大抵義父が連れて行ってくれる。

 

運転中、ぽつりぽつり義父と話をする。

越してきたころより大分打ち解けたように思う。

口数は少ないけれど愛情深い人だ。

窓の外は金色の田んぼが風に揺れている。

9月も終わりに差し掛かるというのに日差しはまだ強くて、顔や首をじりじり照らす。

 

手続きは滞りなく済み、義父の用事にも何件かついていって、昼前に帰宅。

 

洗濯物はすっかりからからに乾いていた。

夫に今朝頼まれていた、新品のタオルの水通しをすませながら、義母が買ってきてくれたピザトーストを3人で分ける。

私と義母はリビングのソファに座り、ラタンの椅子をテーブルにしてお皿を並べる。

 

昼食を済ますと学校のために駅まで送ってもらう。

駅の待合室はエアコンがかかっていて快適だ。

イヤフォンの充電を忘れていて、失敗したな、と思う。

 

学校の先生はとても早口で、時々独り言なのか話しかけられているのかわからないことを言う。

生徒は私のほかに2人男性が来ていた。

私はどちらかというとのろまな性格なので、先生が100話して、1つ返すといった感じになった。優秀な人なのだな、と思った。

優秀が故に人を見下してしまう質の。

 

教材を持って帰るための用意をしていなかったので、抱えて帰る羽目になった。

学校を出たとき、真っ黒な雲が空を覆っていた。

雨が来そうだな、と思い急いで帰路につく。義父に迎えを頼む電話。

最寄りへ着くと地面が湿っていて、タオルのことを思う。

 

家のそばは無事だったらしい。

この地域は本当に局地的に雨が降る。

(どっちにしても、義母が取り込んでくれていたのだけど)

 

夜ごはんの支度を済ませ、早く食べてしまうと、自室に戻って少し眠った。

大きな雷が落ちる音で目覚めたすぐあとに、お風呂の順番が来て階下から義母の声がする。

 

ドライヤーをし終わると大抵夫の帰る時間になる。

夫の夕食を準備し、洗い物を済ませて自室に戻った。

今日は一日鼻の調子が悪かったせいか、夫の徹底して自分のことを何もしない姿勢のことが気になって、落ち込んでくる。

私は人に何かを伝えるのが苦手で、いつも緊張してしまう。

傷つけたり傷つけられたりすることが目に見えていて、億劫になってしまう。

そのせいでずっと同じ事柄に悩まされてしまうとわかっているけれど、解決の道はまだ見つからない。

 

夫がお風呂から出てきたので、気を取り直してビールでも飲むことにする。ご機嫌の妻でいるために。